オープンギャラリーのようなザグレブの墓地ーミロゴイ墓地

ザグレブ市街の北のメドヴェドニツァ山の南側斜面にある、ミロゴイ墓地[Groblje Mirogoj]は、ヨーロッパで最も美しい墓地のひとつに数えられています。ザグレブ中央墓地であり、政治家や芸術家など著名人をはじめ有名・無名の数多くの英霊が眠るため、クロアチアのパンテオン(神殿)[hrvatski Panteon]とも呼ばれています。

この墓地の正門(上掲の写真)をはじめとした美しい建築物は、フランス系オーストリア人の建築家で、後にクロアチアに移り住み多くの建築物を遺したヘルマン・ボレー[Hermann Bollé]によるものです。
当時、墓地は教会の所有物とされていましたが、ミロゴイ墓地は、19世紀に市営の墓地として再編されました。墓地の公的な開設日は1876年11月6日とされています。

墓地にはクロアチア人の多数を占めるカトリックの信者だけでなく、東方正教会、プロテスタント、ユダヤ教の信者が眠っており、墓地ではそれぞれの宗教特有のモチーフで装飾された墓地や礼拝堂を見ることができます。

蔦がからむ建物やアーケードが美しい墓地の内部には、多くの石像や銅像が飾られており、一見オープンギャラリーのように見えますが、そこに花やろうそくが供えられています。

四季折々の花が咲く英国式庭園を備える墓地を散策し、歴史に思いを馳せるひとときは、特別な記憶として心に残ることでしょう。
ザグレブの観光スポットとしておすすめの場所です。

参考 :「Gradska groblja 」(クロアチア語)