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クロアチア最古の灯台ーサヴドリヤ灯台

アドリア海に面した国クロアチアには、船乗りの道標である灯台が無数にありますが、それらの中で最も古い灯台はどこにある、どんな灯台かご存知ですか?

答えは、クロアチア最西端、スロヴェニアとの国境近く、イストラ半島の西北角に位置するサヴドリヤ岬[Rt Savudrija]にある、205年前に建てられた「サブドリヤ灯台[Svjetionik Savudrija]」です。

高さ36mの石造りの塔(塔部分の高さは29m)が素朴な見た目の灯台は、当時のオーストリア皇帝フランツ1世の命を受け、スイス生まれのイタリア人建築家ピエトロ・ノヴィッレ[Pietro Nobile]によって設計されました。1817年3月から建築が開始され、翌年1818年に完成しました。
完成当初の塔部分の高さは19mでしたが、19世紀には現在と同じ高さになりました。

この灯台は、クロアチアの灯台の中では最北端に位置する灯台でもあります。
また、世界初の石炭ガスによる照明機構を備えた灯台でした。

灯台守は武器を備えていたほか、灯台の傍に無線アンテナが配備されるなど、大戦中は防衛上重要な役割も果たしていました。
1934年にイタリア海軍によって接収されたのち、このアンテナは一度解体されます。しかしその後1949年に、少し北西に離れた今のスロヴェニアのポルトロジュ[Portorož]に再設置され、現地のラジオ局のアンテナとして利用されました。

この灯台は今も灯台の役目を果たしているほか、2000年までは、観光客向けの宿泊施設としても利用されていました。あいにく現在は宿泊することはできませんが、近くにはビーチもあり、観光におすすめの場所です。

この灯台にはこんな言い伝えもあるそうです。

メッテルニヒ伯爵が、ウィーンの社交界で出会い恋に落ちたクロアチアの貴婦人がいました。しかし彼らが共に暮らすことは叶わなかったばかりか、貴婦人は灯台完成を目前に亡くなりました。その後伯爵は二度と灯台を訪れることはありませんでした。

サヴドリヤ灯台(スヴェティオニク・サヴドリヤ)[Svjetionik Savudrija]
Svjetionicarska ul. 1, 52475, Bašanija, Hrvatska

参考 :「Svjetionik rt Savudrija 」(イストラ観光局ウェブサイト:クロアチア語)