コラム・豆知識

2022年7月末、ペリェシャツ橋が開通します

ドゥブロヴニクの北西に位置するコマルナ[Komarna]と、名物の牡蠣で有名なマリストン湾[Malostonski zaljev]を隔てた対岸にある、ペリェシャツ半島のブリイェスタ[Brijesta]を結ぶ、ペリェシャツ橋[Pelješki most]が、最初の架橋計画から20年以上を経て、ようやく開通を迎えます。

※ 橋の公式名称として7月21日公式に決定。

長さ2404m、高さ55mの斜張橋であるペリェシャツ橋は、2022年7月13日に最終的な検査が行われ、7月26日に開通式を迎える予定となりました。

ペリェシャツ橋[Pelješki most]

この橋の開通により、ドゥブロヴニクを擁するクロアチアの南側の飛び地が陸続きになりますが、橋の開通前の現在は、内陸国のようでいて実は海に面している、ボスニア=ヘルツェゴヴィナの海への出口である、ネウム[Neum]を経由する必要があります。
1996年にボスニア=ヘルツェゴビナとクロアチアは協定に署名し、通行の自由は妨げられないとされたにも関わらず、実際は通過の際に国境での検査を避けられなかったことから、1997年に架橋計画が初めて発表されました。
しかし、当初の計画を超える資金面の問題をはじめ、地質調査や環境保全のための調査の長期化と建設計画の変更作業、国内での意見の不一致、ボスニア=ヘルツェゴヴィナとの協議に難航し、ようやく橋梁部の建設が実行に移されたのは、最初の計画から20年後のことでした。
2017年に、橋梁建設の入札が行われ、最終的に3社が落札を競いました。結果として、オーストリアのStrabagは26億2200万HRK(クロアチア・クーナ)、イタリアとトルコの共同事業体Astaldi-İçtaşは25億5100万HRKで提案を行いましたが、最も安価な20億8000万HRKでの提案を行った、中国路桥工程有限责任公司が落札しました(なお、橋につながる道路の建設はStrabag社が落札を行いました)。
こうしてようやく2018年に着工した橋の最後の工事は、2022年1月27日に完了しました。

また、この橋は、クロアチア本土側のコマルナ・ツェスタ[Komarna cesta]を経て、イタリアのトリエステからモンテネグロのウルチニ[Ulcinj]までのアドリア海東岸の街を結ぶ高速道路であるヤドランスカ・マギストラーラ[Jadranska magistrala](別称:ヤドランスカ・ツェスタ[Jadranska cesta])にも接続されます。

下記の動画は走行試験が開始された様子の動画です。

リンク:「Započelo probno opterećenje Pelješkog mosta 」(YouTube)