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第5回「木造礼拝堂フェスティバル」/クロアチアからオンライン無料配信【アーカイブ】

木造礼拝堂フェスティバル(フェスティバル・ドゥルベニフ・カペラ) [Festival Drvenih Kapela] 」は、クロアチアの首都ザグレブの南に位置する緑豊かな丘陵地に点在する木造礼拝堂で開催される音楽祭です。
聖バルバラに捧げられたこの音楽祭は、クロアチアに残る築300年から350年ほどの木造礼拝堂という貴重な文化遺産を保護し、継承し、新たな魅力を見出すことを目的としています。

今回の音楽祭のメインビジュアルの絵画は、クロアチアの伝統文化の守護者であった、先日故人となった画家、ボジダル・シュコファチュ[Božidar Škofač]氏によるものです。今回の音楽祭はまた、彼に捧げられたものでもあります。

音楽祭は、シサク教区とザグレブ大司教区にまたがる地域で開催されます。時代と国を跨いだクラシックの名曲から近現代の作品が演奏されます。今年はライブ配信はありませんが、コンサートのアーカイブ映像は、例年通りYouTubeで世界に向けて無料で配信されます。

動画

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音楽祭詳細

公式案内より(一部補足の上抜粋)

この音楽祭は国際オルガンフェスティバル等を開催する文化・芸術振興団体 Hrvatska udruga Ars organi Sisciae (HUAOS)により、2019年に創設されました。
木造礼拝堂は、残響音がほとんどなく、音楽家にとっては厳しいとされている空間ですが、魅力的なバロック音楽アンサンブルや木管楽器などのソリストたちよるコンサートを開催してきました。

木造礼拝堂は、建築遺産であり、また、地域に暮らす人々のアイデンティティの担い手です。
現存する木造礼拝堂はトゥロポリェ[Turopolje]、ポクプリェ[Pokuplje]、ヴコメリチュケ・ゴリツェ[Vukomeričke gorice]の地域に集中しています。
これらの木造礼拝堂の歴史は17世紀から20世紀後半までさかのぼります。礼拝堂内部は、その教会が建築・あるいは修復された時代の様式での装飾が施されており、ロココ様式とバロック様式の装飾がよく見られます。
木造礼拝堂は、街の中心部や道路沿いに位置し、宿泊施設としての役目も担ってきたものと、人里離れた場所にあるものに区別できますが、その両方がこの音楽祭の舞台です。

音楽祭は無料で開催されるとともに、オンラインで配信も行っていますが、この音楽祭が、身体と魂に休息をもたらす特別な場所である、美しい木造礼拝堂へ実際に訪れるきっかけとなることを願っています。


1日目(日本時間6/26(月)4:00〜)

開催地:ヴェリカ・ムラカ[Velika Mlaka]

出演アーティスト:Zagrebački tamburaški kvartet (ザグレバチュキ・タンブーラシュキ・クヴァルテト)

ザグレブを拠点とする、クロアチアを代表する民族楽器、タンブーラ、またはタンブリツァとよばれるフラットマンドリン様の楽器による四重奏団です。クロアチアの若手作曲家T.ラノガイェツ、F.ノヴォセルの作品のほか、B.ポトチュニク、M.ミレティッチの作品、そして、W.A.モーツァルト、F.シューベルト、A.ピアソラの作品の編曲版が演奏されます。
リンク:「Otvorenje festivala 2023 – Zagrebački tamburaški kvartet 」(YouTube)

2日目(日本時間6/28(水)4:00〜)

開催地:ブレスト・ポクプスキ[Brest Pokupski]

出演アーティスト:Terezija Cukrov (テレジヤ・ツクロフ:フォルテピアノ)

会場であるブレスト・ポクプスキの「聖バルバラ礼拝堂」には、シサク教区でもっとも重要な遺産のひとつである、戦火を逃れた木造礼拝堂の祭壇が設置されています。ニューヨーク・タイムズ誌で「力強さと自信が溢れる演奏が印象的」を評されたピアニストにより、モーツァルトの時代の楽器フォルテピアノのレプリカで、モーツァルトはもちろん、J.ハイドン、C.Ph.E.バッハの作品が演奏されます。
リンク:「Terezija Cukrov – Brest Pokupski 」(YouTube)

3日目(日本時間6/29(木)4:00〜)

開催地:スタリ・ブロード[Stari Brod]

出演アーティスト:Igor Paro(イゴール・パロ:バロック・リュート)、Egon Mihajlovič (エゴン・ミハイロヴィチ:チェンバロ)

会場の聖マルティナ礼拝堂は、戦争や洪水を乗り越え何世紀にも渡り受け継がれてきた貴重な木造礼拝堂で、まさに村の生命力の象徴となっており、2017年には、ヨーロッパの遺産としての価値を認められました。クロアチアの若手楽器製作者、Pavao Sever(パヴァオ・セヴェル:弦楽器)、Zlatko Pavlović(ズラトコ・パヴロヴィチ:鍵盤楽器)によって制作された楽器により、古の巨匠の作品が演奏されます。
リンク:「Kapela sv. Martina – Igor Paro i Egon Mihajlovič 」(YouTube)

4日目(日本時間6/30(金)4:00〜)

開催地:クリュチッチ・ブルド [Ključić Brdo]

出演アーティスト:Srđan Bulat (スルジャン・ブラト:ギター)

クロアチア国内だけでなく、海外のコンクールにも入賞経験のあるクラシック・ギタリスト、スルジャン・ブラトにより、J.ダウランド、G.レゴンディ、I.アルベニス、H.ヴィラ=ロボス、B.パパンドプロ、A.ピアソラの作品が演奏されます。
リンク:「Kapela sv. Ivana Pavla II – Srđan Bulat, gitara 」(YouTube)

 5日目(日本時間7/1(土)4:00〜)

開催地:ブシェヴェツ[Buševec]

出演アーティスト:Domen Marinčič (ドメン・マリンチッチ:ヴィオラ・ダ・ガンバ)、Tomaž Sevšek (トマジュ・セフシェク:チェンバロ)

17世紀のバロック様式の絵画など、貴重な装飾が残る礼拝堂では、スロヴェニアから迎えた奏者により、1740年に製造されたヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロで、G.F.ヘンデル、J.M.レフロス、C.F.アベル、J.C.バッハの作品が演奏されます。
リンク:「Kapela sv. Ivana Krstitelja – Buševec 」(YouTube)

 6日目(日本時間7/2(日)4:00〜)

開催地:ドニェ・ポドトチェ[Donje Podotočje]

出演アーティスト:Trio Valerije Nikolovske (トリオ・ヴァレリィェ・ニコロフスケ)

ボーカルのヴァレリヤ・ニコロフスカが率いるコントラバスとピアノによるトリオが、G.ガーシュウィン、C.ポーター、T.モンクなどから、ジャズとソウルの名曲までを演奏します。
リンク:「Hiža Valentina – Donje Podotočje: Trio Valerije Nikolovske 」(YouTube)

 7日目(日本時間7/3(月)4:00〜)

開催地:ヴェリカ・ゴリツァ[Velika Gorica]

出演アーティスト:Capella Lignum (カペラ・リグヌム)

カペラ・リグヌムはこの音楽祭のために2020年に結成されたアンサンブルです。メンバーはプログラムに応じて毎年変更されます。今年は2人のソプラノ、1人のメゾソプラノ、オルガンにより構成され、F.M.バルトルディ、A.ヴィダコヴィッチ、J.S.バッハ、A.クライッチ、P.マスカーニなどの曲が演奏されます。
リンク:「Kapela ranjenog Isusa – Velika Gorica 」(YouTube)

リンク:「Festival Drvenih Kapela 」(YouTube公式チャンネル)
リンク : Festival drvenih kapela Sancta Barbara (Facebook)
プログラム詳細はこちら : PROGRAM (festivaldrvenihkapela.com : クロアチア語)

 

この音楽祭の過去の配信については、以下の記事をご覧ください。