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第16回 国際オルガンフェスティバル「アルス・オルガニ・シシエ」/クロアチアからオンライン無料配信【アーカイブ】

国際オルガンフェスティバル「アルス・オルガニ・シシエ[Ars Organi Sisciae] 」は、2007年からクロアチア中部のシサク[Sisak](ラテン語表記=Sisciae)とその周辺都市で開催されてきた、今年で16回目を迎える音楽祭です。
2020年の年末に発生したクロアチア地震から2年以上が経ちましたが、復興途上の地域の街の教会で開催されるこの音楽祭を、今年は当センターと日本クロアチア協会が共催しています。

この音楽祭では、クロアチア国内外の演奏家によるオルガン演奏が行われるほか、今年はヴァイオリンの独奏や、オルガンとトランペットや打楽器とのアンサンブル等も楽しめます。

今年は、5月7日(土)20:00(日本時間:5月8日(日)3:00)から5月15日(日本時間:5月16日(月))にかけて開催され、コンサートの様子は昨年同様YouTubeで世界に向けて無料で配信されます。ライブ配信はもちろん、アーカイブ動画も公開されるため、時差を気にせず、お好きな時間にお好きな場所でお楽しみいただくことが可能です

クロアチアをはじめ、ヨーロッパ各地の音楽の発展と伝播の一翼を担ってきた教会と、その歴史と文化に想いを馳せながら、魂に寄り添うかのように教会に響くオルガンをはじめとした音楽の力強くかつ柔和な音色とハーモニーをお楽しみください。

動画 ※ライブ配信およびアーカイブ動画のプレイリストです。右上のアイコンで再生する動画を選択できます。

音楽祭詳細

公式案内より(一部補足)

国際オルガンフェスティバル「アルス・オルガニ・シシエ[Ars Organi Sisciae]」は、クロアチア中部のシサク教区に残る、貴重なオルガンを紹介する音楽祭です。16年前から毎年5月の前半に開催されており、今年は5月7日から15日まで(日本時間5月8日から16日まで)開催されます。

シサク教区のオルガン音楽の歴史は、18世紀までさかのぼることができます。数多くのオルガンは、クロアチア独立戦争で破壊されたほか、経年劣化も生じており、その修復は緊喫の課題です。小教区の中には、歴史的なオルガンの保存または修復に成功し、その歴史的・文化的な存在価値を示しているものもありますが、残念ながら、2020年末の大地震でシサク教区内の多くの教会とそのオルガンが被害を受け、その音色を聴くことができなくなっています。


1日目(日本時間5/8(日)3:00〜)

開催地:グリナ[Glina]

ヨシップ・イェラチッチ伯爵[Ban Josip Jelačić]が暮らし、クロアチア国歌が作曲された歴史ある町グリナには、220年の歴史を持つ小教区に新しく建てられた教会があり、最近この教会に教区最大のオルガンが建造されました。
今年の音楽祭は、このオルガンを使ってクラパ(クロアチアのアドリア海沿岸に広がる伝統的なアカペラ男性合唱)グループ「クラパ・レッジェーロ[Klapa Leggero]」とオルガニスト、アレン・コプノヴィッチ・レゲティン[Allen Kopunović Legetin]によるオリジナルプログラムで幕を開けます。
このほかコンサートのプログラムには、J.S.バッハ、ヴィダコヴィッチ[Vidaković]、ダリエ、エンゲルハートの著名なミサ曲などが含まれています。

2日目(日本時間5/9(月)3:00〜) および 6日目(日本時間5/15(日)3:00〜)

開催地:ペトリニャ[Petrinja]

一方、ペトリニャの教会にあるへフェラー[Heferer]が建造した貴重なオルガンは地震による被害を受け、現在も故障中のため、オルガンではなく、リエカ[Rijeka]出身のヴァイオリニスト、マルコ・グラツィアーニ[Marco Graziani]による、J.S.バッハの『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』の全曲の演奏が2日間に分けて行われます。

3日目(日本時間5/12(木)3:00〜)

開催地:シサク[Sisak]

シサクの大聖堂では、トランペットのダリオ・テスケル[Dario Tesker]、クレシミル・ファビヤニッチ[Krešimir Fabijanić]、マリオ・ロンチャル[Mario Lončar]の3名、ティンパニーのボルナ・シェルツァル[Borna Šercar]、オルガンのアレン・コプノヴィッチ・レゲティンによる演奏が行われる予定です。このコンサートのプログラムには、バッハ、ヘンデル、テレマン、シューベルトなどが含まれます。

4日目(日本時間5/13(金)3:00〜)

開催地:パリ(フランス)

今年のクロアチア国外からのゲスト演奏(オンライン配信)は、フランスのオルガニスト、オリヴィエ・ペナン[Olivier Penin]により行われます。パリのサン・クロチルド聖堂から、フランスの偉大な作曲家でありオルガニストであるセザール・フランクの生誕200年を記念して、フランク自身も演奏したオルガンで演奏が行われます。
コンサートは、音楽祭のウェブサイトで生中継で配信される予定です。

5日目(日本時間5/14(土)3:00〜)

開催地:ヴォロデル[Voloder]

ヴォロデルでは、オルガニストのカタリナ・ヤヴォラ[Katarina Javora]が、地元出身のオルガン建造家アントゥン・シメンツ[Antun Šimenc]が1863年に建造したオルガンを演奏する予定です。
また、ソプラノ歌手ズリンカ・ポサヴェツ[Zrinka Posavec]が、イヴァン・ヴラホヴィッチ・カプシュヴァレツ[Ivan Vlahović Kapušvarec]の聖歌集(1737年)の歌詞を基に作曲したオリジナル曲を演奏する予定です。

7日目(日本時間5/16(月)3:00〜)

開催地:フルヴァツカ・コスタイニツァ[Hrvatska Kostajnica]

音楽祭の最終日は、ウナ川[Rijeka Una]の畔の美しい街フルヴァツカ・コスタイニツァで、アンサンブル「プロイェクト・ラザルス[Projekt Lazarus]」による、リエカ[Rijeka]出身でオーストリアのグラーツに学んだ作曲家ヴィンコ・イェリッチ[Vinko Jelić]の不朽の作品「パルナシア・ミリティア[Parnassia Militia]」の初版発表(1622年)から400周年を記念したコンサートで締めくくられます。

リンク:「Ars Organi Sisciae 」(YouTube公式チャンネル)
リンク : Ars Organi Sisciae (Facebook)
プログラム詳細はこちら : PROGRAM (ars-organi-sisciae.com : クロアチア語・英語)
出演アーティスト詳細はこちら : UMJETNICI (ars-organi-sisciae.com : クロアチア語・英語)

昨年2021年の第15回国際オルガンフェスティバルについての詳細と、コンサート動画の視聴は以下の記事をご覧ください。