予備知識,  トラベル情報

クロアチアの各地方について

クロアチアは、大きく5つの地方に分けられます。

中央クロアチア
スラヴォニア
イストラ / クヴァルネル
リカ・カルロヴァツ
ダルマチア

それぞれが独自の文化を持っており、訪れる地方ごとに違った印象を受けるでしょう。

中央クロアチア Središnja Hrvatska

クロアチア首都のザグレブもこの地域に含まれています。クロアチア全体の3割の面積、全人口の約半数の216万人の住む地域です。中部クロアチアは、森林やブドウ畑が広がる緑豊かな地域です。素朴で叙情的な田園風景が広がるこの地域は、中世の面影を残す落ち着いた雰囲気があります。アドリア海沿岸とは違い、のんびり緑を楽しみたい人にお勧めです。ロマンチックで美しいお城で定評のあるトラコスチャン城[Dvor Trakošćan]を始めとした中世のロマンチックなお城も、この地域に点在しています。
ヴァラジュディン[Varaždin]の町は、バロック調の建物が数多く並ぶ街で、教会、市庁舎、墓地など、壮麗な建造物が訪れる人々を楽しませてくれます。夏には野外音楽祭が開催される音楽の街でもあります。
フレビネ[Hlebine]という村近辺は芸術文化が発達しており、ナイーブアートというガラス板に描かれる芸術が盛んな場所です。独特の芸術文化にも触れられる。この地域では、オーストリア、ハンガリー、トルコなどから影響を受けた肉料理が多く食べられています。

 

スラヴォニア Slavonija

スラヴォニア地方は、様々な伝統が時代を超えて守られてきた地です。ここに暮らす人々は、伝統的な行事の際、レースや刺繍で飾られた美しい民族衣装を身にまとい、民族音楽と共に、昔ながらの神話や伝説を語り継いでいます。実はクロアチアは、ヨーロッパの中ではワイン生産地として高く評価されているのですが、スラヴォニア地方では紀元前4世紀ごろから既にワイン造りが行われていた記録があります。クロアチア固有種のぶどうから造られる少量生産のワインにも注目です。隣国ハンガリーと共通する文化がみられ、特に有名なものとしては、煮込み料理のグーラシュ[Gulaš]でしょう。この他にもパプリカをふんだんに使った料理が多いです。

 

イストラ/クヴァルネル Istra/Kvarner

アドリア海に三角形に突き出たイストラ半島。「食材の宝庫」と称されるこの地域は、海の幸と山の幸の両方を堪能できる地域です。実はこの地域は、トリュフの産地でもあり、黒トリュフのみならず白トリュフも取れるため、シーズンの9月~1月の間はそれを目的とする観光客も多く訪れます。中世の面影を残る港街ロヴィニ[Rovinj]も見所の1つです。アドリア海に浮かぶ街は居るだけでタイムスリップしたかのような気分を味わえます。ローマ時代の円型球技場が残るプーラ[Pula]もこのイストラ半島にあり、一見の価値ありです。
クヴァルネル地方もまた、アドリア海沿いで海が美しい地域です。冬は比較的温暖な気候であり、中世ヨーロッパの貴婦人や政治家、芸術家がこよなく愛した地域です。クヴァルネル湾沿いには、「クロアチアの貴婦人」とも称される高級リゾートのオパティア[Opatija]の街があります。クヴァルネル地方の中心都市リエカ[Rijeka]もまたアドリア海沿いに位置し、オーストリア風の建物が並ぶ美しい街です。ヨーロッパ最大規模の国際カーニバルもここで開催されています。

 

リカ・カルロヴァツ Lika-Karlovac

この地域はクロアチアの国立公園や自然公園を楽しみたい旅行者から最も愛されている場所です。自然をたっぷり満喫でき、川や泉に湖、山や木々を肌で感じることができる地方です。手付かずの森林も多く存在しており、見事な絶景で世界に知られる世界遺産、プリトヴィッツェ国立公園[Plitvice]もこの地方に属しています(一部はクヴァルネル地方にも属しています)。自然の中での活動を愉しみたい旅行者は、エメラルドグリーンの多数の湖と滝の息を飲む美しさを見逃すわけにはいきません。カルロヴァツ地方の中心都市カルロヴァツ[Karlovac]では、ルネッサンス様式やバロック様式の建物が並ぶ街並みは、 ザグレブ旧市街とはまた一味違うすばらしさを発見できるでしょう。

 

ダルマチア Dalmacija

石畳にオレンジ色の屋根、青い空とエメラルドに光る海とのコントラスト。この目に焼きつく絶景のクロアチアのイメージは、まさにこのダルマチア地方の風景ではないでしょうか。 アドリア海に沿って南北に伸びるこのダルマチアでは、多くの世界遺産や美しい島々と自然が広がります。 世界遺産の街ドゥブロヴニクもこの地域に属し、アドリア海の真珠という名で、古くから多くの人々を魅了し続けています。 101匹ワンちゃんでお馴染みの”ダルメシアン”も、実はこのダルマチアが故郷。 海岸沿いのこの地方では、シーフード料理が多く食べられています。オリーブオイルやスパイスやハーブ類を多く使用した料理は、アドリア海を挟んだ対岸のイタリア料理と共通点も多く、日本人にもよく合う味―素材の味を引き出す、シンプルな味付けなのが特徴です。